EU5 開発者日記 #4
探検と植民
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01 | 探検 Exploration
02 | 植民 Colonization
03 | 植民地国家と植民地交易 Colonial Subjects and Colonial Trade
今回はヨーロッパ・ユニバーサリス 5 (以下 EU5) の時代を象徴し変革をもたらした要素の一つ、探検と植民に焦点を当てます。未知の海への最初の勇敢な遠征から広大な植民地帝国とグローバル交易ネットワークの台頭まで、このシステムは広大な未知の世界を切り開く野望、リスク、そして報酬を表現することを目指しています。
15世紀から19世紀にかけて世界中の国家が富と機会を求めて船出しました。香辛料、金、毛皮、砂糖といった異国の品々への渇望に駆られたこれらの航海は、国家の勢力図を再構築し最初のグローバル経済の礎を築きました。EU5ではプレイヤーが未知の発見と野望への引力を感じ、それに伴うリスクと報酬を体感できるようにしたいと思っています。
POPシステムとキャラクターシステムにより、EU5における探検と植民は新たな深みと没入感を実現しました。探検隊の指揮官選定、新植民地に住民を送り込むロケーションの選択、直接支配する地域と新植民地国家に委ねる地域の決定、そして最終的には植民地と本国間の貿易が国家の長期的な運命を形造っていきます。

スペイン (カスティーリャから変容) による新大陸支配 1700年代初頭
| 探検 Exploration
EU5における探検は、単に地図を明らかにするだけではなく、それは機会、野望、そしてリスク管理そのものになります。探検能力は、国家の技術進歩、海洋プレゼンス、キャラクター、POPに依存します。高度な海洋国家はより安全で迅速にかつ野心的な遠征を計画できますが、無謀な探検者は栄光を求めて命と資源を危険に晒すかもしれません。探検と植民はゲーム画面左上の地政学パネルにあります。ここでは可能な探検地域、進行中の探検と植民などを確認できます。探検と植民の範囲を決定する植民範囲の値も表示されます。

地政学パネルおけるポルトガルの探検 1501年
植民範囲の基本値は1,000であり、進歩の研究などによって増加します。これらの進歩の一部はポルトガルなど特定国家に固有のものになりますが、EU5では主に発見時代 (時代 III) 以降に受容できる制度である新大陸にある進歩を研究することで、探検と植民を有利に進めることができます。植民範囲の値が高いほどより遠くまで探検でき、より遠くに植民地を築くことができます。

発見時代 (時代 III) で研究可能な海外探検の進歩は、植民範囲を+1,500拡大し外洋探検を可能にする
探検を行うには植民範囲と最寄りの港 (属国や同盟国を含む) に基づいた探検する地域を選択し、次に探検を出発させる港を選び、探検を遂行するキャラクターを割り当てます。あらゆる種類の探検には初期コストがかかり、海上か陸上どちらかの探検かによって水兵か人的資源が必要となります。

メキシコ湾の探検を開始するには初期コストとして250ダカットと水兵100.58が必要
探検したい地域を選択したら、探検隊を率いるキャラクターを選定する必要があります。このキャラクターは自国のキャラクタープールから選出されますが、イベントで獲得したコロンブスやマゼランなどの歴史上の探検家も選択可能です。その後、探検準備が必要となり、木材や海軍用品、酒など探検に必要な交易品を調達します。適切な交易品が不足している場合、探検準備は中断され出発地の市場に交易品が補充されるまで待機状態となります。

メキシコ湾への探検を開始するために必要な交易品
探検隊の準備が終了すると未知の世界への探検が始まります。探検の期間は主に以下の2つの要因に依存します。
- 海軍範囲に対する探検距離、海軍範囲は発見時代 (時代 III) の進歩である海軍の野心などにより拡大する
- 探査対象地域の地形、過酷な外洋か、沿岸海域か、険しい内陸部かなど
探検が完了するまでの月数は、総探検コストに対する月間の探検進行度によって算出されます。デフォルトでは探検進行度は月間0.05から始まりますが、進歩や政府改革、探検家のスキルによって増加します。発見時代 (時代 III) においては、大航海時代初期の野望の高まりを反映してすべての国家に一律+0.25の探索進行度ボーナスが付与されます。

ポルトガルによるメキシコ湾の探検の進捗状況 1501年

発見時代 (時代 III) でのすべての国家への補正値、植民地帝国建設の幕開けとなる
探検には常にリスクが伴います。探検中に遭遇する様々な出来事が進捗に影響を与えます。順風や予期せぬ発見といった探検を加速させる好条件から、嵐や疫病といった進行を遅らせる悪条件まで多岐にわたります。最悪の場合、探検は壊滅的な打撃を受けることもあります。探検家が命を落としたり航海が完全に失敗したりすれば、植民地計画の見直しを余儀なくされるでしょう。
しかし、こうした出来事の影響は探検隊だけに留まりません。それは自国に波及して国家の社会的価値にも影響を与えます。好奇心や野心、さらには宗教的熱意を喚起する一方で、災害は慎重さ、幻滅、あるいは未知への船出への抵抗を植え付けることもあります。

探検中に起きた探検進行度が減少する代わりに革新主義への傾きを促進するイベント

カモメを信用するな、探検中に起きた探検進行度が促進する代わりに威信を失うイベント
前作EU4とは異なり未知の地域は探検が完了し探検者が帰還するまで発見されません。これにより新たな探検が可能となり陸地が発見された場合には植民地化の機会が新たに開かれます。このシステムにより、EU5の探検は単に船を出すだけの行為ではなくなり、タイミング、準備、リスクと報酬の天秤にかけることが重要になります。いつ探検するか、どのレベルのキャラクターを探検に派遣するか、国家の資源をどれだけ投入するかの選択が広大な世界を解明する速度を左右します。
| 植民 Colonization
新たな地域が発見されると次の段階として認可植民地が設立できます。地政学パネルの植民地タブでは自国の植民範囲内で入植可能な州を確認できます。初期・維持コストを要しますが、入植は州単位で処理されその州内のすべてのロケーションが完全に植民地化されると完了します。

植民には初期コスト200ダカットを要しさらに月額維持コストが発生する 1509年
植民地化は単純な事業ではありません。それはコストと時間を要するプロセスであり、自国のPOPに遠方の辺境の地へ移住することを求めることです。

ポルトガルからPOPが新たな機会を求めて植民地へ旅立つ
植民地の開拓難易度は土地そのものによって大きく異なります。先住民が密集する地域は人口希薄な地域と比べて領有に遥かに多くの時間と投資を要します。同様に過酷な気候や耕作可能地の不足、マラリアのような疫病の存在といった修正値は植民の進展を遅らせ入植者のリスクを高めます。
植民移住率を高めることで植民の速度を向上させることができます。植民移住率とは、本国から植民地域へ移住する人口の割合を指します。この値は進歩や法律、政府改革、発見時代 (時代 III) で解禁される社会的価値の外的の強化、移住元ロケーションにおける海上プレゼンスの拡大によっても上昇します。

ポルトガルから植民地への移住 1509年

発見時代 (時代 III) で解禁される社会的価値 外的

発見時代 (時代 III) で解禁される社会的価値 内的
EU5において植民はダカット、POP、時間という多大な投資を要し、成果が現れるまでには数十年あるいは数世紀かかることもあります。どの場所に認可植民地を設立するかの決断は極めて重要なことです。毛皮、砂糖、金、銀、カカオ、その他の貴重な交易品を産出するRGOを持つロケーションを優先的に開拓することが国家に長期的な優位性をもたらします。
このシステムはプレイヤーに歴史的な植民地化のパターンを自然に促します。資源が豊富な地域は競争の焦点となりやすく、価値の低い土地は後世まで手つかずのまま残る可能性があります。例えば、ポルトガルは金と宝石を求めてブラジルに足場を築き、スペインは中央アメリカの富を掌握するため積極的に進出する選択を持っています。早期の投資が可能なこのような国家には強力な優位性をもたらします。

ブラジルのRGO

中央アメリカのRGO
EU5では認可植民地を設立してもその州の独占的な所有権は即座に付与されません。代わりに複数の国家が同一の州を標的として対立する勢力が支配権を争う植民地競争が生まれます。争われている州は競合する国家間で分割される可能性があります。この植民地競争における勝利は最も多くのPOPを最初に送り込めた国家に与えられますが、競合する国家が送り込んだPOPは消滅せずに植民地に残留します。これは複数の国家の貢献によって形成された多様で多民族的な人口を抱える可能性があることを意味します。

テムネの植民地化、教皇領は先行しているがポルトガルが優位に立つかもしれない

スマトラ島は多様な民族が暮らす州になるだろう
この植民地競争は大航海時代においてカトリック諸国間で頂点に達し、歴史上最も有名な妥協の一つであるトルデシリャス条約を引き起こす可能性があります。これは新大陸で競合するカトリック国家が発見時代 (時代 III) に植民地の奪い合いを始めた際に発生します。両国が教皇に紛争の仲裁を請願することになり、教会内での影響力を活用することで新大陸の広大な領土に対する排他的権利の確保を試みることができるのです。
このイベントは歴史に縛られていません。史実ではスペインとポルトガルが新大陸を分割しましたが、全く異なる結果が生じる可能性があります。例えば、フランスとポルトガルが主要なカトリックの植民地勢力である場合、リスボン条約やハバナ条約あるいは関係国に因んだ別の名称の条約が発生するかもしれません。

ポルトガルとスウェーデンによる新大陸での争い
植民地を完了させるには各ロケーションに少なくとも1,000の移住者が存在しその36%が自国の主要か受容文化と主要宗教に属している必要があります。先住民が20,000人のロケーションは200人のよりも植民地化に大幅に時間がかかります。先住民は部族POPとして存在しこの社会階級は農民POPに比べて昇格が困難です。
EU5における植民地支配は新大陸に限定されません。植民地が完成すると新たな土地は正式に自国の支配下に入りますが、新たに植民地化した領土の管理方法として複数の選択肢を提供しており、それぞれに戦略的な意味合いがあります。
- 新たな植民地国家を創設 – 自国に代わって領土を統治する半自治的な国家を設立します、当該地域の市場アクセスが低い場合、新たな市場が創出され植民地の経済発展を促進します
- 植民地国家を主体としてプレイ – 新たな植民地そのものとなり、その成長を導き本国とは異なる独自の運命を切り開きます、最初の選択肢と同様に市場アクセスが低い場合新たな市場中心地が創出されます
- 既存の植民地国家に統合 – 新たな領土が既存の植民地主体のいずれかと隣接している場合、その領域に組み込むことで勢力を強化できます
- 直接統治を維持 – 領土を本国の一部として保持し資源を直接搾取します、より積極的な管理が必要になり、本国が遠方の場合当然ながら支配度は弱まります

植民地をどの形態で管理するかを選択
植民地化する地域によっては、新たに設立した植民地の資源を最大限活用するためにPOPを送り込む必要があるかもしれません。これは発見時代 (時代 III)での新しい制度、新大陸の好機に満ちた新しい土地でアンロックされる内閣アクションの人々を植民地へ送るで実行可能です。
肥沃だが人がまばらな地域では建造物の集落を建設することで人口成長の機会が生まれます。集落の建設は植民地に限定されませんが、人口収容力が5%未満のロケーションであることが条件のため新大陸ではより頻繁に該当するロケーションが見られます。

建造物 集落は植民地の人口増加に有効、人口収容力5.00%を超えると自動的に削除される
EU5ではどの国家も植民地化が可能です。ポルトガルであれ足利将軍であれその選択肢と機会は存在します。非ヨーロッパ国家の植民地化が没入感を損なうと感じる場合、キャンペーン開始時のゲームルールにて植民地化をヨーロッパ国家のみに制限することもでき、これは実績の達成には影響しません。
| 植民地国家と植民地交易 Colonial Subjects and Colonial Trade
新たに植民地化した領土を直接統治するか、植民地国家として設立するかの判断はEU5における重要な戦略的選択になります。どちらのアプローチにも利点と欠点のトレードオフがあり帝国の強さと安定性に影響を与えます。直接統治は植民地の資源や生産した交易品を完全に管理できますが、首都から距離がある場合は支配度の代償が伴います。直接統治は戦略的に重要な地域など狭いところに留めるのが最善でしょう。
植民地国家の設立は現地の植民地政府に権限を委ねる方式です。植民地国家は首都から領土が近いところで運営されるため、直接統治の欠点が軽減されつつ宗主国は植民地からの利益を確保できます。宗主国は直接建造物やRGO、街道を建設・拡大・敷設できます。植民地への直接投資は植民地の富を増大させるだけでなく宗主国の富も増加させることになります。

ポルトガルによるブラジル植民地国家 1510年
植民地国家は宗主国に対して以下の貢献をします。
- 収入の2.50%を毎月提供
- 人的資源と水兵を毎月提供
- 植民地国家のいる市場での交易優位性と交易許容量の33%を提供 (忠誠度を33%費やすことでさらに50%増加させることが可能)
- 忠実な植民地国家は宗主国のすべての攻防戦に参加
- 収入の吸い上げや水兵の徴募といった属国向けの外交アクションが可能
植民地国家は半自治的なパートナーであり、独自の内閣を有して州開発や支配度の強化などの内閣アクションを実行できます。植民地国家は有用な同盟者であると同時に忠誠度が損なわれれば潜在的なライバルにもなり得るのです。

ポルトガルは植民地国家が中心地となっている市場から金や宝石を本国の市場へ持ち帰る
EU5での新大陸の発展はさまざまな要素が有機的に関連し合っていて、成長は時間をかけて展開し瞬時に賑やかな都市や経済拠点へと変貌することはありません。早期に植民地化された地域は当然ながら早く発展し、後発の地域よりも先に人口、インフラ、交易ネットワークを獲得します。これは歴史的なペースを反映しており、最も早い段階で植民地化された地域が富と権力の中心地となった一方でより辺境や魅力に欠ける地域ははるかに後まで遅れをとることになります。
ゲームが進むにつれ、実際の歴史と同様に植民地地域の重要性が浮き沈みしながら世界がダイナミックに進化していく様子を目の当たりにします。最初に植民地に投資するその決断は、今後数世紀にわたる地政学的・経済的景観に永く痕跡を残すことになるでしょう。

アメリカ大陸の開発度 1337年

イギリス、スペイン、フランス、ポルトガルが植民地化したアメリカ大陸の開発度 1762年
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