EU5 開発者日記 #1
POPとマップ
EU5 開発日記 > #1 POPとマップ
次の記事 #2 政治と社会階級
01 | POPシステム Pops System
02 | POPの属性 – 宗教と文化 Religions & Cultures
03 | POPのニーズ Needs
04 | POPの社会階級 Estates
05 | 歴史イベント Historical Events
06 | 多彩なマップモード Map Mode
ヨーロッパ・ユニバーサリス 5 (以下 EU5) は、1337年から1837年までの500年にわたる歴史豊かでダイナミックな時代に生きた人々と世界を細部までシミュレートしたグランドストラテジーゲームです。EU5の世界で中心となる人々は、POPシステムとしてきめ細かく表現されています。従来のシリーズでの人口は抽象的な統計値として扱っていましたが、EU5ではPOPが独自に持つ欲求や願望、そして国家における役割を緻密に描き出しています。

ゲーム開始時のハンガリーにおける人口マップモード 1337年
| POPシステム Pops System
POPシステムとは、EU5を開発したパラドックス・インタラクティブ社 (以下 パラドックス社) の他のゲームでも採用されている人口管理の仕組みです。このシステムではゲーム内の人々を個々のユニット、POPとして扱い各POPが特定の属性を持つことでより現実的で複雑な社会シミュレーションを実現するものです。
EU5におけるPOPとは、ゲーム内の世界に住む人々であり国家の生命線です。彼らがいなければ建造物は稼働せず人的資源は枯渇し植民地は開拓されません。POPの適切な管理は最優先事項であり、食糧の供給や農地や産業での雇用、防衛と拡張のための軍隊、課税や投資に回す富などあらゆる面での配慮が必要となります。

ペストにおける市民POPの状況
| POPの属性 – 宗教と文化 Religions & Cultures
POPにはそれぞれ宗教と文化などの属性が割り当てられており、ほぼすべての地域で多様な人口構成が見られます。数百の宗教と数千の文化が存在するため、完全に同質的な人口比は稀になります。宗教と文化は見た目の違いに留まらず、文化的な威信、進歩の研究、POPの振る舞いや識字率などさまざまなゲームシステムに直接影響を及ぼします。
例えば、イベリア半島の地域に住む農民という同じ社会階級のPOPでも、カタルーニャのカトリック教徒、アンダルシアのスンニ派、セファルディムのユダヤ教徒など多様な宗教と文化から成り得ます。プレイヤーは政治的、宗教的、文化的な差異から生じる摩擦を乗り越えつつ、多様な人々の欲求のバランスをどう取るかを決断していかなければなりません。

ムルシアにおける文化の内訳 1337年

ムルシアにおける農民POPの内訳 1337年

ゲーム中盤のパリにおけるPOP昇格の状況
宗教と文化の多様性はゲームにさらに深みを与えます。主要宗教の推進はPOPの同化を助ける一方で、少数派を疎外し不満や反乱のリスクを高めます。同化は可能ですが遅くてコストのかかる道のりとなります。成功させるには外交的な手腕や軍事力といった貴重なリソースを投じる必要があるでしょう。この精緻なシステムによってすべての国家は独自の個性を持ちます。例えば、多文化的なオスマンを統治するのと、比較的同質的な文化の足利幕府を治めるのとではゲームの進め方は大きく異なるはずです。

下ポワトゥーにおけるフランシア文化の同化の進捗

ゲーム中盤の日本における文化の詳細

ゲーム中盤のオスマンにおける文化の詳細
| POPのニーズ Needs
POPはそれぞれでニーズを持ち、食糧や衣類などの必需品や贅沢品を求めてプレイヤーの施策に反応します。これらはEU5で刷新された交易システムとも密接に結びついています。食糧が余り全体が繁栄すれば人口は増加し、必要な職がある限りPOPはより高い階級へと昇格します。
逆に、戦争や不作による食糧不足は飢餓を招き、労働力と軍事力の双方を縮小させることになります。POPのニーズを蔑ろにすると反乱の火種となりますが、それを満たせば生産性が向上します。市民が満足すれば交易が活況となり、農民が満足すれば食糧生産の増加に繋がります。

ゲーム中盤のフランスにおけるPOPのニーズ

カルモナにおける人口の成長
| POPの社会階級 Estates
EU5におけるPOPの社会階級は一般的に、貴族、聖職者、市民、庶民の4つがあり、雇用機会や需要に応じてPOPは昇格または降格します。建造物ごとに雇うPOPの種類は異なり、市民や庶民は主に経済のための財を生産し、貴族や兵士は防衛を担い、聖職者は識字力をもたらします。識字率の高い聖職者は、他のPOPの改宗を行うことにもより優れています。POPの識字率と富は技術進歩や交易効率にも影響します。例えば、ヴェネツィアのような先進国は識字率の高いPOPによって革新を促進しやすい一方、識字率の低い国家は改革への道のりがより険しくなります。
いずれの社会階級も独自のニーズと特権を持っています。特権を与えることは多くの場合その他の階級に同時に影響を及ぼします。例えば、貴族に農奴制の権利を与えると、農民が大きな割合を占める庶民は抑圧される一方で貴族の満足度は高まります。逆に庶民を解放すれば経済成長を促すかもしれませんが、エリート層を怒らせることになります。

庶民の移住の自由は農民を喜ばせるが貴族たちはどう思うか

ヴェネツィアにおける識字率
| 歴史イベント Historical Events
黒死病や宗教改革のような重要な歴史イベントは、独自のメカニズムを持つ局面を引き起こします。例えば、疫病は都市部のPOPに特に大きな被害を与える可能性が高いため、プレイヤーは彼らを守るために都市を隔離して交易収入の減少に甘んじるかの選択を迫られます。
火山噴火や地震、天然痘といった自然災害や疫病は、とりわけ人口密度の高い都市の人口に壊滅的な被害を与えるため、プレイヤーは人口管理と経済成長のバランスを取る必要があります。疫病は動的に拡大し交易を辿り国境を越えます。プレイごとに結果も人口減少の程度も異なります。出現日や出現場所をランダム化したり、完全にオフにするゲームルールも用意されています。イベントは単なるフレーバーに留まらず、POPの損失は経済力や軍事力を直接的に弱体化していきます。

ナプーレの肥沃な土壌は偶然から生まれたわけではない

危険マップモードでは地震活動の活発な地域を把握できる

疫病以前の世界

疫病後の荒廃した世界
| 多彩なマップモード Map Mode
EU5の世界地図はパラドックス社が開発したこれまでのゲームの中で最も野心的なものです。歴史資料に基づいて細部まで精巧に作られ、1337年から1837年までを網羅し1,000以上の国家でプレイ可能になります。例えば、神聖ローマ帝国は単一の都市規模の国家を含む無数の小国の集まりとして描かれ、それぞれに固有のPOPと国境があります。この高い解像度を実現するため、地図は約3万もの詳細なロケーションに分割されています。それぞれには食糧生産に特化した農村の拠点から広大な都市中心部までさまざまなタイプが存在します。

神聖ローマ帝国
冬の雪に覆われたアルプスやモンスーンで潤うインドの平原など地図の視覚的な美しさは没入感を高めます。各ロケーションは気候、植生、地形によって定義され、これら3要素の地理的特徴はゲームプレイに重要な役割を果たします。例えば、平原では騎兵が優勢で丘陵では歩兵が有利になるなどです。季節の変化は見た目だけでなく軍隊の移動を阻害したり生産を妨げたりし、河川や海峡は交易と防衛の要衝として機能します。オスマンが交易路を確保しようとした際のボスポラス海峡の重要性がその好例です。

トゥミエチの地表環境である山岳の特徴

アルプスの山岳地帯

オスマンの交易路の要衝であるボスポラス海峡
世界地図のナビゲーションは刷新され高度化したマップモードによって支えられています。70以上の異なるマップレイヤーが用意され、プレイヤーは必要な情報に応じて視点を切り替えることができます。国境を示すお馴染みの政治マップモードに加え、地形、原材料 (RGO)、市場、気候などを表示するマップモードも含まれます。これらすべてのマップモードは画面下部に設置された新しいUIによって整理され、検索機能や進化したホットキー設定も備わっています。

気候 マップモード

RGO 原材料 マップモード

地形 マップモード

海洋プレゼンス マップモード

ゲーム開始時の人口 マップモード 1337年

ゲームを進めた後の人口 マップモード 1770年

戦禍で荒廃したロケーション

復興後のロケーション
Source : Developer Diary #1 – Population and Living World | Paradox Interactive Forums
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